「馬のまち栗東」の博物館に馬が集合?
いえいえ、今回集合したのは生きている馬ではありません。
土でつくられた馬「土馬」です。それも今から約1300年前のもの。
本日11月14日から栗東歴史民俗博物館ではじまる特集展示「地のまつりと水のまつり」で奈良時代の土馬が集合しているのです。
土馬は、奈良時代を中心に雨乞いなどの祭祀に使われたとされるもので、川や溝の跡から発見されます。
栗東では、奈良時代の役所跡の岡遺跡、手原遺跡などを中心に10体の土馬が、滋賀県全体では100体程の土馬が発見されています。
今回の博物館展示では、栗東以外から発見された土馬も約20体集合し、総勢30体の土馬が並んでいます。
なかでも栗東の下鈎東・蜂屋遺跡出土品は、窯で焼かれた「陶馬」で鞍や手綱などが表現された優品です。でも正面からみた顔はすこしユーモラス。

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市外から来てくれた土馬のうち、野洲市北桜南遺跡のものは珍しく完全な形をしています。こちらも足の太さや顔のぼってりした感じなど、親しみのもてる姿です。
また、大津市宇佐山古墳群の土馬はデフォルメされて、小さなオブジェのよう。これは奈良の都などで多く出るもので、滋賀県では珍しいものです。

さて、多くの土馬が壊された状態で発見されるのはなぜでしょう?
本来、雨乞いなどの儀式で生きた馬が生贄とされていたようで、土馬はその代用品と考えられています。そのため、壊され殺された状態で奉げられるようです

多くの土馬たちに出会える機会です、ぜひ博物館へ!(12月27日まで開催されてます)

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