栗東歴史民俗博物館市民学芸員の会のブログ

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昨年度からの調査、そして今年初夏からの土作りに始まった、旧中島家のかまど再生事業。
いよいよかまどが完成し、お披露目の日をむかえました。
当日は再生かまどの初火入れ式があり、伊勢大神楽森本忠太夫組による竈祓いがおこなわれました。

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旧中島家前の駐車場では、秋晴れのもと、伊勢大神楽(獅子舞)の上演がありました。
獅子舞の姿に、集まってくれた子供達も、釘づけです。

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さて、かまどの状況は・・・

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これまでのかまどとは、高さが変わっています。熱効率など気になるところ。
古いかまどなら、だいたいこのくらいの時間で・・という目安がありましたが、今回はあてになりません。

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ここが市民学芸員の腕のみせどころ。
火吹き竹をつかって、釜の音を聞きます。
ゴロゴロいっていたら沸騰していることがわかります。

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初心に帰って、五感をはたらかせた飯炊きです。

おかげさまで、初めてのかまどでしたが、上手にご飯を炊くことができました。
これからこのかまどを使った体験教室が、楽しみになってきました。

10月4日は亀岡を歩きました。一番の目的は、直前に迫った旧中島家住宅のかまどおひろめに先立って、愛宕さんのお札をもらうこと。しかし、せっかくなので、亀岡文化資料館、丹波国分寺、そして亀岡七福神めぐりまでこなしてしまおうという欲張りスケジュールとなりました。(時間短縮のため、車移動させていただきました^-^;)

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まずは亀岡市文化資料館へ。
ここは昭和59年3月に廃校になった亀岡市立女子技芸専門学校を改造された施設です。ここでは友の会の活動が活発に行われており、今後の市民学芸員の活動の参考にするため、資料館の土井さんから活動の詳細をお聞きしました。
そして亀岡の歴史を一通り見学し、車で丹波国分寺へ。
 
            
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ここで早くも昼食。
駅から徒歩の館長も合流です。

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 門をくぐるとオハツキイチョウの大木がお出迎え。
さわやかな秋風が吹くたびに、銀杏がばらばらと降ってきます。

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塔跡の礎石が残ります。

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国分寺全景。
なお、国分寺の西には、御上人林廃寺があり、尼寺に比定されています。

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 さて、本題の愛宕神社です。
火伏の神としてしられる愛宕神社ですが、ここは「元愛宕」といわれます。
社伝では、この愛宕神社の分霊が京都鷹ヶ峰に祀られた後、和気清麻呂によって京都の嵯峨山にうつされ、現在の愛宕山の愛宕神社にいたるとされています。

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本殿は重要文化財。

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これから、あたらしいかまどと安全に長く付き合えることをねがって、お札をいただきます。
そして参加者もそれぞれにお札をもらいました。
    

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 愛宕神社を後にします。
緑につつまれた愛宕神社。ムササビも生息しているとのことです。

さて、いよいよ今週末(12日)は、旧中島家住宅のお披露目です。
新しいかまどを使ってご飯を炊くのが、今から楽しみであり、身が引き締まる思いです。  

・・盛りだくさんの亀岡歩き。七福神めぐり詳細は、後日ということで・・・             
             

                        


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8月に、竹村鉄道コレクションの展覧会を終えたところですが・・
市民学芸員は次なる課題に取組中。
それは版木の整理作業です。

版木とは印刷をするための板で、反転させた絵や文字が刻まれています。
とくに寺院ではお経やお札などを刷るために使用されたものが残されており、地域の信仰の歴史を考える上で貴重なものとなっています。
市民学芸員の会会長はこの道40年の拓本家。会長の指導を受け整理が進みます。
これらの版木は、栗東歴史民俗博物館の特集展示「文化財と拓本」(仮称)で出品される予定です。
展示の会期は平成28年1月9日(土)から2月21日(日)まで。
展覧会開会までは、月2回の文化ボランティアの時間に整理を行います。
興味のある方は、栗東歴史民俗博物館 までご連絡ください。
なお、10月は16日、24日13:30からの予定です。


 いよいよ明日9月19日(土)より、栗東歴史民俗博物館では、中島家住宅かまど再生事業関連展示「湖国のヘッツイさん」がはじまります。
さて、ちょっと昔の暮らしの中で、非常に身近であったかまど。
大昔はどうだったでしょうか。
何千年も昔の縄文時代から、人々の生活に、火はなくてはならないものでした。半地下式の住居のなかで、火をつかって調理していたけれど、その当時はかまどはありませんでした。縄文時代、弥生時代そして古墳時代前半くらいまでは、かまどではなく炉で調理をしていました。半地下の家に囲炉裏があるようなものでしょうか。
古墳時代中ごろになると、いろんな技術が朝鮮半島からつたわってきますが、かまどはそのころから作られるようになったのです。かまどは半地下式の家の端に粘土で作られ、煙はトンネルを通って屋外に出されます。調理の熱効率があがり、家の中の環境も良くなったと思われます。かまどのはじめのころには、韓国のオンドルのように、煙の道が屋内にL字状にめぐるものがあり、栗東でも発見されているのです。古墳時代後期にはかまどが普及していきます。そのころになると、つくりつけのかまどだけでなく、焼き物でつくられた移動できるかまども登場します。滋賀県で有名なのがそのかまどのミニチュア。大津市の古墳群で多く発見されており、渡来人の風習とされています。黄泉の国での飲食のための道具とかんがえられたのでしょう。飛鳥時代頃になると、住居が半地下の竪穴住居から掘立式のものに変わり、煮炊きの方法もまたかわっていくのです。

展示解説は9月26日(土)14:00~です。
ぜひ参加しましょう。

一雨ごとに秋らしさが増していきますね。
文化の秋。いがぐりの会の活動も盛りだくさんです!(連絡先は栗東歴史民俗博物館へ)
以下、9月行事です。

1都名所圖會輪読会 
  9月27日(日)14:30~

2旧中島家住宅かまど再生事業
★関連展示『湖国のへっついさん』
 9月19日(土)~11月3日(火・祝)
 発掘調査でみつかるミニチュア炊飯具から近代のタイルかまどまで、かまどの歴史が紹介されます。  
 また、愛宕信仰など、かまどの信仰についてもとりあげられます。
 9月26日(土)14:00~15:00 展示解説会です!!
★へっつい(かまど)開き!!
 10月12日(日)
 10:00~12:00 火入れ式
 伊勢大神楽(国指定重要無形文化財)森本忠太夫組による竈祓い・伊勢大神楽(獅子舞)上演
 13:30~16:30 
 講演「愛宕信仰と火伏せのいのり」
  講師 八木 透氏(佛教大学歴史学部教授)
 事例報告「向日市富永屋におけるかまど活用」
  報告 寺崎正直氏(富永屋の会・グループとみじん)
 意見交換会~旧中島家住宅再生かまど今後の活用方法

3見学会~愛宕さん参り~
 亀岡市内の愛宕社を訪れます。詳細は後日!
 トロッコ列車の乗車や、トロッコ嵯峨駅内のジオラマ京都JAPAN見学もあります。 

4竹村コレクション整理
 9月19日(土)13:30~
 9月26日(土)13:30~

5懇親会
 9月27日(日)18:30~
 「洗心亭」(草津駅東口徒歩5分)にて、会費6,000円

★RISSミュージアムロビーコンサート
 10月18日(日)18:00~
 「秋の宴~歌・フルート・ピアノ・舞い」
 旧中島家住宅にて開催!!(雨天時は博物館ロビー)

★今後の展覧会
・特集展示『古代の役所 その2』 11月14日(土)~12月27日(日)
 連続講座も実施されます  
 

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