栗東歴史民俗博物館市民学芸員の会のブログ

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さて、報告がおそくなりましたが旧中島家住宅ワークショップまつりの後編です。

さおばかり体験のメニューは、市民学芸員が博物館とともに開発したもの。例年秋に博物館を訪れる小学生への体験メニューとして親しまれています。
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いまは、置くだけで重さが表示されるデジタルばかりが主流だけれど、ちょっと前まではアナログでした。さらにその前はばねばかりもありましたね。竿ばかりはそのもっと前から使われていたもの。はかる単位もグラム、キロではなく匁や貫です。(新しい時代の竿ばかりにはキロ表示のもあります)
分銅とはかりたいものとのつり合いで、重さをはかります。

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さてこれは何でしょう。

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竿ばかりのなかでも重い物をはかる大型の竿ばかりです。
20貫(75kg)まではかれます。(わたしもはかれる(笑))
ブランコや支えている木枠は、木工が得意な市民学芸員の手作りです。
毎年彦根で行われる博物館夏祭りで行っている人気の体験メニューです。こどもたちは、貫や匁で体重を教えてもらいます。10貫なら37.5kgです。

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こちらはかまど体験。
今回は、市民学芸員のほかに、2年前かまど再生をおこなってくれた実行委員のメンバーも集まってくれました。
だいぶんなじんできた新しいかまどでの火吹き体験。

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せいろで蒸しているものは何でしょう?

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それはモチ米でした。
蒸しあがったもち米は木臼にうつされ、みんなで餅つき体験です。

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きなこ、大根おろし、砂糖醤油。
突きあがったお餅は参加者にふるまわれました。

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お昼には、かまどで白いご飯を炊きました。
かまどでのご飯炊きは、毎月「かまどめし」事業として博物館で実施され、市民学芸員もボランティアとしてかかわっています。
炊きあがったご飯はみんなにふるまわれました。

市民学芸員のこれまでの足どりをたどる、楽しい秋の一日になりました。

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市民学芸員の会が、近江の情報を発信する情報誌「duet」で特集されました。

 「duet」は彦根にあるサンライズ出版が1989年より発刊している情報誌です。2013年からは滋賀県博物館協議会と提携発行しており。滋賀の文化を発信されています。
 今年、市民学芸員が10周年をむかえ、滋賀県博物館協議会から表彰を受けたということで、巻頭をかざる特集を組んでいただきました。紙面はカラー7ページにもわたり、市民学芸員のあゆんできた10年間をまとめられています。
 これまでの道のりをふりかえり、今後の市民学芸員のありかたを考えていく良いきっかけとなりました。
 サンライズ出版さん、ありがとうございました!

 先日開催された旧中島家ワークショップまつりの様子は、次回報告いたします!!
 


栗東歴史民俗博物館では、この時期恒例となった滋賀県教育美術展が開催されています。
この展示は、滋賀県内の幼児・児童・生徒を対象とした、滋賀県教育美術展で特選をとった力作が展示されているものです。
会期は2月19日(日)まで。
こども達が描く、可能性を秘めた作品をみにいきませんか?

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栗東歴史民俗博物館では、市民学芸員と公益財団法人栗東市体育協会そして教育委員会の共催で、調査研究報告会が開催されました。
今回のテーマは博物館展示に関連して、古代の祭祀です!!
まず報告では公益財団法人滋賀県文化財保護協会の平井美典さんから、大津市宇佐山古墳群から発見された古代の祭祀場のお話がありました。奈良の都でまつりに使われた土馬と同じタイプの土馬でまつりを行っているとのことでした。次に草津市教育委員会の岡田雅人さんからの報告で、平安時代の八稜鏡を使った地鎮祭祀について報告がありました。
栗東からは手原遺跡の井戸の祭祀について佐伯英樹さんが、同じく手原遺跡の地鎮について近藤広さんが報告されました。地鎮については密教の思想が入っているとのこと。土の中からも宗教色がでてくるとは驚きです。今後は遺跡の性格などを知る手掛かりとなればいいなと思いました。
報告の後は討論。市民学芸員からは雨森が討論の司会をさせていただきました。
討論では土馬の祭祀や、井戸の祭祀などおもに水に関連するまつりの性格などが検討され、古代の人々の願いを知るとともに、古代の役所の構造にせまる討論となりました。
古代の祭祀についてはまだまだ分からないことがおおく、古来からあった信仰に外来の信仰がどのように入ってくるのか、都城型の祭祀がどのように地方に浸透していくのか・・検討すべき課題が沢山あるようです。そして近江は宮あり、国や郡の役所も調査が進んでいて、そうした課題を検討していく絶好のフィールドであることを再認識できました(^_^)
企画展は12月27日まで開催中。
本日の話を受けて、もう一度土馬たちに会いに行こうと思います。

「馬のまち栗東」の博物館に馬が集合?
いえいえ、今回集合したのは生きている馬ではありません。
土でつくられた馬「土馬」です。それも今から約1300年前のもの。
本日11月14日から栗東歴史民俗博物館ではじまる特集展示「地のまつりと水のまつり」で奈良時代の土馬が集合しているのです。
土馬は、奈良時代を中心に雨乞いなどの祭祀に使われたとされるもので、川や溝の跡から発見されます。
栗東では、奈良時代の役所跡の岡遺跡、手原遺跡などを中心に10体の土馬が、滋賀県全体では100体程の土馬が発見されています。
今回の博物館展示では、栗東以外から発見された土馬も約20体集合し、総勢30体の土馬が並んでいます。
なかでも栗東の下鈎東・蜂屋遺跡出土品は、窯で焼かれた「陶馬」で鞍や手綱などが表現された優品です。でも正面からみた顔はすこしユーモラス。

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市外から来てくれた土馬のうち、野洲市北桜南遺跡のものは珍しく完全な形をしています。こちらも足の太さや顔のぼってりした感じなど、親しみのもてる姿です。
また、大津市宇佐山古墳群の土馬はデフォルメされて、小さなオブジェのよう。これは奈良の都などで多く出るもので、滋賀県では珍しいものです。

さて、多くの土馬が壊された状態で発見されるのはなぜでしょう?
本来、雨乞いなどの儀式で生きた馬が生贄とされていたようで、土馬はその代用品と考えられています。そのため、壊され殺された状態で奉げられるようです

多くの土馬たちに出会える機会です、ぜひ博物館へ!(12月27日まで開催されてます)

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