2018年05月

5月26日。市民学芸員の会10周年記念事業、歴史探索が開催されました。

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今回の歴史探索では、現在市民学芸員の会で輪読している「都名所圖會」をバスでめぐりました。

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総勢38名。一般の参加の方も一緒ににぎやかな探索会です。まずは栗東歴史民俗博物館から山科を目指します。

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バスは山科駅でおりて、毘沙門堂を目指します。

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住宅地のなか、緩やかな坂道を登って、毘沙門堂にたどり着きます。

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若葉が鮮やかな門跡寺院。しかしこの日は暑かった。

山科毘沙門堂は文武天皇勅願で僧行基がひらいたと伝える寺院。かつては平安京の御所の北側、出雲路にあり護法山出雲寺といいました。平安京では度重なる戦乱を経て、寛文5年(1665)、山科に再建。後西天皇の皇子公弁法親王が寺に入り門跡寺院になりました。本尊は毘沙門天。伝教大師の自作と伝えます。

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今回の歴史探索のサブタイトルは、『都名所圖會』に栗東の歴史をたどる、です。山科毘沙門堂での「栗東の歴史」ポイントは・・・

栗東の古刹、金勝寺が山科毘沙門堂の末寺であることです。江戸時代の文書には、金勝寺領での権利をめぐる争いの間を毘沙門堂が間を取り持ったことがしるされています。

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毘沙門堂では有名な「動く襖絵」をお寺の方の軽快な案内で興味深く見学。そのあと緑豊かな庭園で癒されました。

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毘沙門堂を後にして山科駅に。

バスで伏見を目指します。

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京都市南東部の伏見は、水運の町で知られます。その良質な地下水で早くから酒造業も盛ん。今回の伏見ではまず1番に、月桂冠大倉記念館を訪れました。

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月桂冠の初代、大倉治右衛門は三代将軍家光の時代に京都の笠置から伏見に出、酒造業を始めました。明治38年には栄光と勝利のシンボル、「月桂冠」が銘柄として生まれます。大倉記念館では酒造りの行程や、酒造の歴史が展示されています。さらにお楽しみ、試飲コーナーも。見学が終わると、大きな樽がならぶ中庭で、市民学芸員により「都名所圖會」の解説がおこなわれました。

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「栗東の歴史」ポイントは・・栗東でも街道沿いの手原で酒造が行われていたこと。博物館には酒造の道具も収蔵されています。


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大倉記念館の後、月の蔵人さんで昼食。月桂冠の酒蔵を改装したゆったりとした空間で、豆腐料理などを楽しみます。

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食後は船場あたりを散策。ここ濠川はかつて伏見城の外濠でした。柳並木からは酒蔵が望めます。

ふたたびバスに乗り最後の見学地、伏見稲荷大社へ。

伏見稲荷は全国のお稲荷さんの総本宮。伝承には、裕福な秦伊呂具が餅を的に矢を射たところ、矢が白鳥となり降り立ち、その峰に稲が生じたことから、稲荷山というようになった、とあります。祭神は、宇賀之御魂大神、佐多彦大神、大宮能売大神、田中大神、四大神で、五穀豊穣、商売繁昌、家内安全、諸願成就の神として信仰されてきました。また、弘法大師空海が稲荷神を勧請した話があるように、平安京の東寺と稲荷大社は密接なかかわりがあります。毎年春の稲荷祭りでも、神輿は東寺に立ち寄ります。

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稲荷大社についた一行は境内で「都名所圖會」にかかれた伏見稲荷について学びます。市民学芸員が「都名所圖會」をよみあげます。

さて、ここでまたまた「栗東の歴史」ポイント。(館学芸員からの補足説明です)
さきほど、稲荷社と東寺の関わりに触れましたが、「都名所圖會」には真言宗の「愛染寺」が描かれています。

明治の神仏分離の際、この愛染寺にあった仏像・仏具が処分される危機にありました。そのとき仏像・仏具の預け先となった寺院のひとつが、栗東の東方山安養寺であったとのことです。

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商売繁盛の神として、にぎわってきた伏見稲荷。しかし最近では別の賑わいが・・境内の千本鳥居が幻想的であると外国人観光客を中心に人気を集めているのです。

しかし今回は盛りだくさんの内容にて、境内散策は、また個人的に・・。

外国人と、学生と、和装の若者にもまれながらバス乗り場に。充実の一日は無事終了しました。



5月3日~5日まで、多賀大社奥書院にて宝物の特別公開があるとのことで、市民学芸員の会で訪問しました。

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これとともに多賀大社の参詣道で開催されている「近江地獄めぐり」がもう一つの目的。


さわやか、というより冷たさの感じられる風が吹いていた5月4日。彦根駅から近江鉄道に乗り多賀に向かいました。今年6月には彦根~愛知川間で、7月には愛知川~八日市間で開業120周年を迎える近江鉄道。鉄道愛好家と思われる方もたくさん乗車しています。近江鉄道ならではのレトロ感を感じながら多賀大社前駅へ。

多賀大社前駅の観光案内書で、「近江の地獄めぐり」にエントリー。500円を支払いパンフレットをもらうと、早速帰りの近江鉄道100円乗車券(通常310円)をゲットします。駅前の「叶♡多賀門」で願い事をして、ウオーキングのスタートです。

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駅前から多賀大社までは、商店や昔の旅館などが連なり、みな笑門札をつけたしめ縄をしています。この通りを「絵馬通り」として参拝客を出迎えてくれるのです。

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この日は多賀大社本殿前での待ち合わせのため、絵馬通り散策は後に回して、境内に急ぎます。

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多賀大社の石鳥居をくぐって目に入るのは石造りのそり橋。別名太閤橋です。太閤秀吉が近畿の諸社に大政所の病気平癒を祈願しますが、大政所が回復すると多賀大社はⅠ万石を与えられそれで堂舎が整備されますが、そのときに橋も造り直されたと伝えられることから太閤橋とよばれています。寛永年間に石造になります。町指定文化財です。

御神門をくぐり、本殿前へ。ここで本日のメンバーがそろいます。

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早速参拝。

多賀大社は祭神が伊邪那岐・伊邪那美神。「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」とうたわれ信仰を集めてきました。古くは『古事記』に「伊邪那岐大神は近江の多賀に坐すなり」との記載があります。平安時代の『延喜式神名帳』には「多何神社二社」「日向神社」がみられます(日向神社は境内社)。室町時代には境内に不動院などの神宮寺が建てられ、神社の運営を行いました。神宮寺の「坊人」は諸国に出向き活動したことから延命の神として信仰を集めますることになりました。この時に坊人の重要なアイテムであったのが「参詣曼荼羅」でした。江戸時代には徳川将軍の庇護を受けます。三代将軍家光の時代には本殿・拝殿・本地堂をはじめ大規模な造営がおこなわれ、多賀大社末社の胡宮神社。大滝神社などの造営もおこなわれました。しかし100年後には大火で焼失・・その後書院、本殿など再建されます。奥書院はこの時の再建によるものでその後の改装はあるものの江戸時代中期の特徴を残すものとして、滋賀県の指定文化財です。現在の本殿は昭和初期の大造営事業によるもので、近代建築として拝殿や幣殿などとともに町指定文化財となっています。

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参拝の後は奥書院の見学へ。新緑が映えます。

庭園は桃山時代の特徴を備えるものとして国名勝に指定されています。

今回の目的のひとつ、宝物の特別公開はこの奥書院で行われています。昨年から企画の有った宝物の公開。本来の目的は多賀大社参詣曼荼羅でしたが、残念ながら今回の展示ではありませんでした。(来年の宿題にしておきましょう。そして多賀大社参詣曼荼羅のうち1点は現在MIHOミュージアムで展示中とのこと。これも行かなくては。)

今年展示されていたのは重要文化財の「調馬・厩馬図」。ガラス越しではなく慶長期の狩野派の屏風を間近に見られるのです。半双に武家屋敷の調馬の様子を、もう半双に厩の様子を描く、六曲一双の屏風です。とくに厩馬図では一扇に一馬房が描かれるというユニークな構成で、馬たちの躍動的な姿とともに当時の厩舎の構造まで見ることができ、ぜいたくなひと時を過ごせました。

さて、つぎは地獄めぐりです。

観光案内所でもらった(500円です)パンフレットの特典で、多賀大社のおみくじを無料でひけます。

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境内をでて、今度は地獄めぐり特典参加店での昼食。

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わたしたちは牡丹さんの「とろとろ地獄」をいただきました~(とろろいり具だくさんのおそばです)

お団子も・・

そして特典で真如寺さんの「地獄絵図」を見学。4月20日から5月20日まで公開されている地獄絵図は10点からなり、生前に行った行為の報いとして十王の審判をうけ地獄で罰をうける図です。地獄絵をみて泣き出す子もいるとか・・

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同じ期間で公開されているご本尊の阿弥陀如来坐像は国重要文化財。明治の神仏分離まで多賀大社の本地仏でした。ヒノキの一木割矧造、平安時代後期の仏様です。同じく多賀大社からきた町指定文化財の大型の懸け仏もすばらしいものでした。

桜町延命地蔵尊では足ツボ地獄を体験。(これ、痛いけど足がかるくなります!)



絵馬通りでは、近代の遺産も多くみることができます。

糸切り餅で有名な莚寿堂さん。

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井伊直弼をたすけた、村山たかの生まれ育った家ものこされています。

多賀大社門前の料理旅館「かぎ楼」さんは三層構造のめずらしいもの。国登録有形文化財です。

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「かめや」さんは大正時代に建築された、こちらも国登録有形文化財です。宮大工が施工した建物とのことです。

元旅館のもんぜん亭は、コミュニティースペースになっています。

そして、あっという間に駅到着。

地獄巡り特典の100円乗車券で帰途につきました。

 

 

 

 

 

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