例年市内外の小学3年生が団体で来られ、中島家住宅が実際に使われていた100年前のくらしを体験します。
今の便利な生活とどこが違い、どうつながっていくのかな。体験を通じて学んでもらっています。
市民学芸員の会イチオシの体験は「竿ばかり体験」です。
今、スーパーに行ってお買い物をすると、豚肉200g、300円、などとシールが貼ってあるし、料理の時に小麦粉200gを量ろうとしたらクッキングスケールでピッ、と表示されますよね。
これが、100年前はどうだったんだろう。
当時は「竿ばかり」という便利な道具があって、小さなものからお米など重いものまで量っていたのです。
この道具を使ってもらい、昔のくらしを体験してもらおう・・というのが竿ばかり体験です。
この体験、実は栗東歴史民俗博物館と市民学芸員の会が協働して開発したもの。
実際の道具を使うと、数も少ないし破損の恐れもある、ということで方法を模索しました。そうして自分たちで作成を開始。木に目盛りをつけ、分銅の重さを少しずつ調整しました。量るものもペットボトルに色水をいれて作成。当時の単位、「匁(もんめ)」で量れるようになっています。道具が出来上がると、他のイベントに来てくれた子供たちに使ってもらい、改良しました。
こうして完成したのが今行っている「竿ばかり」体験です。
旧中島家での、「火吹き体験」「あかり体験」とともにレギュラーメニューになりました。
旧中島家を背景に、竿ばかりを語る市民学芸員。
子どもたちも興味津々。この日来てくれたのは、野洲市内の小学3年生です。
このあと、市民学芸員が作成した竿ばかりで、実際に重さを量ります。
目盛りを合わせるのに手間がかかるし、分銅が落ちたりしたら危ない...
そんな不便なところがあるけれど、棒一本で軽いものから重いものまで量れるし、電気もいらない。
不便なようで、実はいろんな工夫がされている。
そして、そうした工夫が今のくらしにつながっていくんだ・・ということを子供たちは感じてくれたかな?