栗東歴史民俗博物館市民学芸員の会のブログ

2014年11月

旧中島家住宅で、秋~冬にかけて行われるのが、昔のくらし体験教室。
例年市内外の小学3年生が団体で来られ、中島家住宅が実際に使われていた100年前のくらしを体験します。
今の便利な生活とどこが違い、どうつながっていくのかな。体験を通じて学んでもらっています。
市民学芸員の会イチオシの体験は「竿ばかり体験」です。
今、スーパーに行ってお買い物をすると、豚肉200g、300円、などとシールが貼ってあるし、料理の時に小麦粉200gを量ろうとしたらクッキングスケールでピッ、と表示されますよね。
これが、100年前はどうだったんだろう。
当時は「竿ばかり」という便利な道具があって、小さなものからお米など重いものまで量っていたのです。
この道具を使ってもらい、昔のくらしを体験してもらおう・・というのが竿ばかり体験です。

この体験、実は栗東歴史民俗博物館と市民学芸員の会が協働して開発したもの。
実際の道具を使うと、数も少ないし破損の恐れもある、ということで方法を模索しました。そうして自分たちで作成を開始。木に目盛りをつけ、分銅の重さを少しずつ調整しました。量るものもペットボトルに色水をいれて作成。当時の単位、「匁(もんめ)」で量れるようになっています。道具が出来上がると、他のイベントに来てくれた子供たちに使ってもらい、改良しました。
こうして完成したのが今行っている「竿ばかり」体験です。
旧中島家での、「火吹き体験」「あかり体験」とともにレギュラーメニューになりました。


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旧中島家を背景に、竿ばかりを語る市民学芸員。

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子どもたちも興味津々。この日来てくれたのは、野洲市内の小学3年生です。
このあと、市民学芸員が作成した竿ばかりで、実際に重さを量ります。

目盛りを合わせるのに手間がかかるし、分銅が落ちたりしたら危ない...
そんな不便なところがあるけれど、棒一本で軽いものから重いものまで量れるし、電気もいらない。
不便なようで、実はいろんな工夫がされている。
そして、そうした工夫が今のくらしにつながっていくんだ・・ということを子供たちは感じてくれたかな?

今回の埋蔵文化財発掘調査成果展、栗東の歴史の中で大変重要なものが展示されています。
実は、栗東で最も古い人間の生活の痕跡です。
それは、なんと1万4000年前の道具「有茎尖頭器」です。
といっても発見されたのは今から1600年くらい前、丘陵を切り開きつくられた古墳です。
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なぜ?

今から1万4000年前、(氷河期が終わるころらしいです)。この地の丘陵で狩りをしていた人がいて、槍を投げたところ、その槍は森の中へ・・・。もしくは森にすんでいた獣に刺さったまま、傷ついた獣は再び森の中へ・・、なんてことがあったのでしょうか。失った槍は、木の葉が積り、そのまま約1万3000年の時が過ぎたのでしょう。そこにやってきたのは古墳時代の人々。平野が見渡せるこの地に、平野を治めた人の墓を作ろうとしたのです。木を伐り、森を焼き・・。大きな古墳ができました。大昔、失われた槍は古墳の造成と共に運ばれたのかもしれません。そして、ふたたび1600年の時が過ぎ...。豪族の墓を調査していた発掘調査員が、鋭く加工された石を発見したのです。

・・て、ことがあったようです。
この石器については、これから考古学の専門家が研究していき、もっといろいろなことがわかるでしょう。ただ、さまざまな偶然が重って、現代に伝わったことは間違いありません。
展示室では入口正面で、私たちを迎えてくれますよ(^O^)/

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11月1日~12月7日まで、栗東歴史俗博物館で開催されているのが『埋蔵文化財発掘調査成果展』です!!
この展示、何年かに一度行われていて、今年は平成23年度から25年度に栗東市内で行われた発掘成果が報告されています。
発掘、、というとなんだか宝探しのイメージがあるかなとは思います。でもここで報告されている遺跡は、市内の開発に先立って、地面に残された昔の人々の痕跡を記録しておくため、行われているもの。
開発といえば、とくにここ数年、手原駅北側一帯の工場用地を中心に盛んに行われてますよね。高速道路の便もよく、工場立地には適したところです。そうした場所、じつは昔の人々にとっても交通の便がよく、重要な場所だったのです。そして・・・必然的に開発に伴う発掘調査では、様々な時代の人々の痕跡が出てくるのです。
今回の展示、半分以上が手原・蜂屋遺跡の調査成果です。
奈良時代が終わり、長岡そして京都に都が遷ると、古代の官道である東海道が手原一帯を通過するようになりますが、そのころを中心に手原一帯で区画整理が行われ、大きな建物が建ち並ぶようになるのです。その当時の柱穴や溝や井戸からは、当時の生活がわかるものがたくさん見つかります。中でも陶製の馬は見もの!!馬具など精巧につくられているのに、その顔はなんだかユーモラス(^v^)親しめます。本来は雨乞いとか水に関する祭りに使われたものらしいですが。。うま年の〆にぜひ見ておきましょう。また井戸に埋められた壺から見つかった人形(ひとがた)も見もの。土の中から1200年ぶりに発見された古代のお顔を見に行きましょう。
なお、解説会は16日午後2時からです(^O^)/

市民学芸員の会11月例会

~秋は活動が盛りだくさん!!~



1都名所圖會輪読会  1130日 9:30

    36頁「船舟院」の絵図より

(予告)1210日(水)今まで読んだ所の見学会します!!

2文化ボランティア・竹村家鉄道資料整理 

  1115日(土)13:30

1122日(土)13:30

3かまどめしを炊こう!

  1115 日(土)10:00

 (ボランティアは9:30集合・米1合持参)

   年内最終となります!!
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4いがぐり農園作業

  1111日(火)9:30

5むかしのくらし体験教室

116日  13:30 竿

1111日 13:30 竿

1113日 13:30  竿 

1118日 13:00 つし 

1121日 13:00 竿

中山道をあるく~柏原宿~関ヶ原宿~

  柏原駅9:00集合 約6㎞歩きます。

弁当持参。

  申し込みは18日までにお願いします。

1124日(月・祝)
※前回ご案内から変更になっています。

  ※ICOKAでは下車できません。
7埋蔵文化財発掘調査成果展
   111日~127
   ・展示解説会 111614:00

 ・発掘調査成果報告会 1129日 13:0017:00
   (報告会は市民学芸員の会の共催事業です)
     講演は元名古屋女子大教授 丸山竜平氏
      近江の古墳についてお話いただきます。
8懇親会
    1129日 18:30~清元雅庵(草津近鉄5階)にて
    会費5000円。申し込みは1122日まで。

◆いずれの行事も参加できる方は栗東歴史民俗博物館まで◆


 

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