連続講座「ここまでわかった!?近江の三つの宮」、本日は第2回、保良宮の巻です。

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保良宮は、奈良時代に近江に造営された宮。大津市国分のあたりに想定されているけれど、その所在は不明な点が多い宮です。そして、この保良宮を舞台として繰り広げられる孝謙上皇や道鏡などのイメージなども相俟って、さらに謎めいた印象があるのではないでしょうか。
さて、本日の講師の先生方は、日ごろ石山界隈を歩き、保良宮研究を重ねられている方々です。

まずは、滋賀県文化財保護協会で埋蔵文化財のお仕事をされている小松葉子さん。
『保良京遷都計画への視点』
奈良の都の状況から、当時の都のイメージを語られた後、「保良宮は広い保良京の一部。保良宮を探す前に保良京を探しましょう」と言われます。現在保良宮に関連する遺跡といわれる石山国分遺跡のみならず、近江国庁周辺や膳所城下町遺跡、石山寺、さらには関津遺跡まで、広い範囲で考えていく必要があるとされます。そして、ご自身も踏査された石山の山間部に所在する「へそ石」について報告。保良宮のあたりにあった国昌寺との関連を述べられました。

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次に、皇子山を守る会の千歳則雄さん。
『「保良宮」は幻の宮か』 
奈良時代の近江、そして保良宮をめぐる登場人物を軽快に解説されます。ミステリアスな仮宮の印象のある保良宮であるけれど、その実像はどうか。保良宮に近接した勢多唐橋は当時この国の大動脈。琵琶湖の水運も考えると、保良宮は交通の要害にあり、物流や人、情報の集まる地といいます。さらには外交も見据えた立地であると。保良宮造営を推し進めた、当時の近江国そして日本の政治のトップ、藤原仲麻呂の目論見を語られました。

今回の講座では、保良宮の重要性を学ぶことができたのではないでしょうか。
今度、ゆっくりこの地を歩きたいものです。

さて、次回は「近江大津宮」です。

連続講座「ここまでわかった!?近江の三つの宮」
 ★博物館研修室にて
 ★参加費(資料代 200円)市民学芸員のみなさまのお手伝いをお願いします。
 主催:栗東市教育委員会 公益財団法人栗東市体育協会 
    栗東歴史民俗博物館市民学芸員の会
 【第1回】「紫香楽宮」11月21日(土)14:00~…終了しました。
   講師 鈴木良章さん(甲賀市教育委員会)
   旧信楽町時代から、宮町遺跡の調査・研究にかかわってこられました。
 【第2回】「保良宮」11月28日(土)14:00~…終了しました。
   講師 千歳則雄さん(皇子山を守る会)
      小松葉子さん(滋賀県文化財保護協会)
   保良宮推定地を歩き、歩き、そして研究を重ねられている方々です。
 【第3回】「近江大津宮」12月5日(土)14:00~
   講師 櫻井信也さん(栗東歴史民俗博物館)
   博物館の櫻井さんから、じっくり大津宮の話を聞けるチャンスです!